建築や家具製作で、木材選びにお悩みではありませんか?

  • 広葉樹の特徴や強度がわからず樹種選択に迷う
  • 針葉樹との違いがわからず、コストと性能の使い分けに困る
  • ナラ(楢)、ケヤキ(欅)など人気樹種の性質や価格を知りたい

上記のような悩みを解決するため、本記事では木材業界20年の山仁物産が、広葉樹木材のすべてを実例とともに徹底解説します

記事を読むことで、広葉樹の特性を理解し、予算と用途に合った最適な木材を選べるようになります。適切な木材選びにより、コスト削減と品質向上の両立も実現できるでしょう。

本記事のポイントは、次の通りです。

記事のポイント
  • 広葉樹は硬く重く木目が多彩、針葉樹は軽く柔らかく加工しやすい。
  • 耐久性・硬度に優れ、美しい木目で高級感を演出できる。
  • 広葉樹は家具・フローリング・楽器、針葉樹は柱・梁・合板などに多用。
  • 代表的な広葉樹の種類は、ナラ(耐久性・虎斑模様)、ケヤキ(和風建築の高級材)、サクラ(やわらかな色合い)、クルミ(世界三大銘木)、セン(加工しやすい)など。
  • 用途・予算・見た目に合わせて選ぶのが基本。長期利用や高級感には広葉樹が適する。

広葉樹木材とは?特徴と針葉樹との違い

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

広葉樹木材は、平たく広い葉をもつ樹木から採取される、高品質な建築・家具材料です。木材は重くて硬いものが多く、色は樹種ごとに実に多様。明るいものから濃いもの、赤み・黄み・灰色などさまざまで、針葉樹に比べるとカラフルなのが特徴です。

ここでは、広葉樹材の基本的な性質から針葉樹との明確な違いまで、木材選びで知っておくべき重要なポイントを解説します。

広葉樹材と針葉樹材の基本的な違い

針葉樹はやわらかく、広葉樹は硬いのが一般的で、構造と用途が大きく異なります。

まっすぐ伸びていく針葉樹は、組織の構造もシンプル。空気を多く含み軽いのが特徴です。対して、枝分かれして横に大きく育つ広葉樹は、構造が複雑で含まれる空気も少なく、ずっしりとした重さが特徴です。水の通り道である「導管」、養分を運搬・貯蔵する「柔細胞」など、豊富な種類の細胞があります。

国産の広葉樹、針葉樹には次のような種類があります。

分類樹種主な特徴
広葉樹ナラ(楢)高硬度、耐久性、虎斑模様、美しい木目
ケヤキ(欅)非常に硬い、耐久性・耐水性、力強い木目
タモしなやか、弾力性、滑らか
カツラ(桂)やわらかい、明るい色、加工しやすい
クルミ(胡桃)やや柔らかい、灰褐色、加工性良好
針葉樹スギ(杉)軽量、加工しやすい、成長が速い
ヒノキ(檜)耐水・耐湿・抗菌性、木目美
カラマツ強度高い、木割れしやすい
アカマツやや硬め、木目はっきり
ヒバ耐久性高、安価、ヒノキ類似

樹種ごとの構造差により、用途に応じた適切な木材選択が重要となります。

山仁物産株式会社では、上質な国産の広葉樹を多数取りそろえております。板一枚からのご注文も承っております。耐久性が高く、見た目も美しい木材にこだわりたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

葉の形状・成長速度・価格帯の比較

広葉樹と針葉樹は葉の形状から成長速度、価格まで大きく異なります。広葉樹の葉は平らであることが多く、幹は太くて曲がり、枝分かれしています。一方、針葉樹はとがった細い葉で、幹はまっすぐ伸びていることがほとんどです。

項目広葉樹針葉樹
葉の形状平たく広い細く尖った針状
成長速度遅い(70~100年以上)速い(35~60年)
主な価格帯(正角材)6万~9万円程度/㎥10~15万円程度/㎥

樹種にもよりますが、一般的に針葉樹は軽くてやわらかいため加工しやすく、価格は比較的安めのものが多いのが特徴です。広葉樹は重くて硬いため加工しにくく、比較的高価なのが特徴です。

硬度・密度が用途に与える影響

木材の硬度と密度は、用途を選ぶ際の重要な要素です。硬いほうが傷つきにくいため、フローリングなど強度が求められるものには広葉樹を使う傾向があります。ただ、やわらかな踏み心地や触り心地の良さを求める場合は、針葉樹のフローリングも使われます。

樹種主な用途
広葉樹・床材(フローリング材)
・建築材(強度が求められる部分)
・家具(高級家具、テーブル、椅子など耐久性を求められる家具)
・薪、炭などの燃料
・樽材(ワインやウイスキー樽)
・楽器、工芸品
・船舶材
針葉樹・建築材(柱、梁、土台など)
・家具材(室内の軽めの家具など)
・風呂桶やしゃもじなどの生活用品
・軽量の合板やパルプ材

針葉樹は、「軽くてやわらかく加工しやすい」「素材が安価」なため、大量生産向きでコスト重視の用途に適しています。広葉樹は、重くて硬いのが特徴です。高級家具など耐久性が求められる構造材や樽材、楽器材に使われます。

また、針葉樹は夏はつめたく、冬はあたたかいのも魅力です。広葉樹は高級感や耐久性、美しい木目を活かし、人々の暮らしや産業で幅広く利用されています。

広葉樹木材の魅力とメリット

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

広葉樹木材は、建築・家具業界で重要視される素材です。針葉樹材と比較して優れた耐久性と美しい木目をもち、長期使用が前提となる高級家具や重要な構造材に選ばれています。

本章では、広葉樹材がもつ魅力と実用的なメリットを、具体的な特性とともに詳しく解説していきます。

木目の美しさと高級感

広葉樹木材の大きな特徴は、複雑で美しい木目模様による高級感を演出できる点です。広葉樹は複雑な細胞構造をもつため、木目の表現が多彩で装飾性に富んでいます。針葉樹の単調な直線模様とは異なり、曲線的で表情豊かな木目を見せます。

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説
右:広葉樹 左:針葉樹(出典:NANBA HOME

主な広葉樹の木目について、表にまとめました。

樹種画像色合い特徴
ナラ(楢)広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説黄褐色~淡褐色・虎斑(とらふ)模様や直線的な木目
・はっきりとした木目
クリ(栗)広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説淡黄褐色~赤褐色・大きな道管がはっきりした力強い木目
・年輪の境界が鮮明
セン(栓)広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説明るい黄白色~黄褐色直線的で滑らかな木目
クルミ(胡桃)広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説深い茶褐色~濃褐色・複雑で美しい木目
・濃い色合いの縞模様が入ることも多い
タモ広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説淡黄褐色~中間色はっきりとした直線的な木目で明瞭

広葉樹は豊かな木目表現により、インテリア空間に格調高い印象と自然の温もりを与えます。

耐久性・重厚感がある木材特性

広葉樹材は優れた耐久性と重厚感をもち、長期使用に向いています。一般的に針葉樹は空隙率(くうげきりつ:すき間の割合)が高く軽いのに対し、広葉樹は空隙率が低く、重い樹種が多いのが特徴です。密度の違いが耐久性に直結しています。

項目広葉樹針葉樹
気乾比重(木材の質量)約0.6~0.8g/㎤約0.3-0.5g/㎤
硬度高硬度低硬度
JASによるせん断強さ(破断・変形する直前の強度)約0.9~1.0MPa約0.7MPa
参考:樹種別の気乾密度の値の例|北海道のホームページ(最終閲覧日2025年9月18日)
農林水産省|日本農林規格(最終閲覧日2025年9月18日)

広葉樹は耐久性・硬度で針葉樹より優れ、針葉樹は軽さ・加工性・触感で優れるため、用途に応じた選択が重要です。広葉樹は重厚な材質により、家具や建材として高い信頼性を得ています。

家具材・建材に選ばれる理由

広葉樹木材が家具・建材に選ばれるのは、実用性と見た目の美しさの両立にあります。広葉樹が家具材や建材として使う具体的なメリットは、次の通りです。

広葉樹を家具材・建材に使うメリット
  • 高い耐久性・硬度、揺れへの強さ
  • 傷が付きにくく長持ちする
  • 豊富な木目の表情や深みのある色合いで、装飾性が高い

家具は人の身体を支え、日常の作業を支える重要な道具です。強度があり傷がつきにくく、揺れに強いことが求められます。広葉樹は高い硬度と耐久性を誇り、家具や建材としての需要を満たしているのです。

重厚感を出したい大型家具や長く愛用したい特別な家具には、広葉樹がぴったりです。丈夫さと温かみのある質感は、住まいに確かな存在感を与えてくれます。時間とともに色合いや艶が変わり、経年変化を楽しめるのも広葉樹木材の魅力です。

山仁物産では、厳選した国産広葉樹材を豊富に取りそろえています。ぜひ、商品ラインナップをご覧ください。

代表的な広葉樹木材の種類と特徴一覧

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

広葉樹木材は約300種の豊富な種類があり、特に木材として重用される樹種は約30種です。各樹種は独特の木目、色合い、硬度をもち、用途に応じて選べます。

ここでは、家具材や建築材として、特に人気が高い代表的な広葉樹5種の特徴を、実用的な観点とともに詳しく解説していきます。紹介する代表的な広葉樹木材は、次の通りです。

ナラ材|耐久性と美しい木目が特徴

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

ナラ材は英語で「オーク」と呼ばれ、優れた耐久性と高い耐水性をもつ高級広葉樹です。日本産(北海道産)のミズナラは「ジャパニーズオーク」として、海外でも高い評価を得ています。ナラ材は重硬で強度が高く、壊れにくく変形しやすいのが特徴です。

加工性や割裂性’(繊維に沿って割れる性質)は中程度、表面仕上げは良好で美しい光沢をもちます。虎の毛並みのような美しい虎斑模様も、ナラ材の魅力的な特徴です。

木材名ナラ(オーク)
産地・日本(北海道・東北など)
・北米・欧州
色・木目・黄白色~淡褐色
・はっきりした導管で力強い木目(虎斑模様が出ることもある)
硬さ・強度硬くて重い
加工性硬いため加工はややむずかしいが、仕上がりは良い
耐久性・高い(特に耐摩耗性)
・耐水性は中程度で、屋外利用には塗装や処理が必要
質感タンニン(木材の防御物質)を多く含み、重厚感のある質感
価格帯中〜高価格帯
主な用途床材、家具、内装材、洋酒樽(ウイスキー・ワイン)、器具、建築材

日本の婚礼タンスにも用いられるほど耐久性が高く、長期使用を前提とした高級家具にぴったりな木材です。

ケヤキ材|和風建築に使われる高級広葉樹

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説
出典:木材博物館

ケヤキ材は美しい木目と高級感で、和風建築の代表的な構造材として重用される高級広葉樹です。重硬で強靭な材質をもち、乾燥や湿度変化に対して寸法変化や反りが少ない特徴があります。

ただ、乾燥時に割れが生じやすいため加工はむずかしいですが、耐久性は抜群です。美しい木目は洗練された空間づくりに向いています。

木材名ケヤキ
産地・日本(本州・東北)
・中国・韓国
色・木目・赤褐色~黄褐色
・独特の虎斑模様、木目が美しい
硬さ・強度非常に硬く重い
加工性硬いため加工はややむずかしいが、仕上がりは良い
耐久性・耐久性、耐摩耗性が高い
・屋内利用で長期耐用可能
・屋外利用には塗装や防腐処理が必要
質感重厚感があり、磨くと光沢が出る
価格帯高価格帯
主な用途家具(高級家具、座卓、床柱)、建築材(神社仏閣の柱・梁)、床材、彫刻材、器具材

古い民家や神社仏閣では構造材として使用され、現代でも高級造作材として選ばれ続けています。

サクラ材|やわらかな色合いで人気の家具材

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出典:SOLIWOOD PRODUCTS

サクラ材は淡い色の美しい色合いと繊細な木肌で、家具材として高い人気を誇る広葉樹です。サクラ材は中程度の硬さをもち、木質は均質、加工後の良質な見た目と手触りが特徴です。

木目が主張しすぎず、合板加工にも適しています。

木材名サクラ(チェリー)
産地・日本(本州・北海道)
・北米(アメリカンチェリー)
色・木目・淡いピンク~淡褐色
・木目は穏やかで目立たず、滑らかで均一な印象
硬さ・強度中程度の硬さ
加工性・加工、削り、仕上げが容易
・乾燥による割れは少ないが、狂いには注意
耐久性・耐久性は比較的高い
・屋内での使用に適し、長期使用可能
・屋外では塗装や保護が必要
質感・やわらかく温かみのある質感
・磨くと光沢が出る
価格帯中〜高価格帯(国産は高級材扱い)
主な用途家具(食器棚、机、椅子)、内装材(床材、腰板)、小物、彫刻材、楽器材

弾力性に富み、優しい色合いは温かみのある家具によく馴染みます。

クルミ材|世界三大銘木のひとつ

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

クルミ材は紫がかった濃暗褐色が美しい、世界三大銘木のひとつとして名高い高級広葉樹です。

ほどよい硬さと美しい色合いが魅力で、チークやマホガニーと並ぶ世界的な銘木です。経年変化により濃暗褐色から温かみのある茶色へと変化し、長く愛用するほど味わいが深まります。

木材名クルミ(ウォルナット)
産地・日本(北海道、東北など)
・北米(ブラックウォルナット)
・ヨーロッパ
色・木目・茶褐色~濃褐色
・木目は直線的~波状で落ち着いた高級感
硬さ・強度中~やや硬め
加工性・加工しやすく、削り
・仕上げが容易
・狂いは少なめで安定
耐久性・強度、耐久性は高い
・家具や建具として長期使用可能
・屋内使用が中心
質感・重厚感のある質感で、磨くと光沢が出る
・落ち着いた風合い
価格帯高価格帯
主な用途高級家具(机・椅子・キャビネット)、フローリング、内装材、楽器材、彫刻材

食用のクルミが取れる樹種としても知られ、高級ダイニングテーブルや収納家具、小物まで幅広い用途で人気を集めています。

セン材|加工しやすく扱いやすい

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

セン材は広葉樹のなかでも加工性が高く、DIY初心者などでも扱いやすい木材です。木質はやわらかめで加工しやすく、切削や研磨が容易に行えます。木目はケヤキに似て美しく、家具材として高い装飾性をもちます。

表面仕上げが良好で、塗装の乗りも良いため、美しい仕上がりを実現できる木材です。

木材名セン
産地・日本(北海道、本州)
・ヨーロッパ
色・木目・黄白色~淡褐色
・木目はまっすぐで均一
・節が少なく落ち着いた印象
硬さ・強度中程度
加工性加工・仕上げが容易で、削り・塗装・接着に向く
耐久性・耐久性は適度にある
・屋内使用で長期利用可能
・屋外利用は保護処理が必要
質感やわらかく、滑らかで均一な質感
価格帯中価格帯
主な用途家具(テーブル、椅子、キャビネット)、床材、内装材、建具材、楽器材

軽量でありながら強度があり、反りや狂いが少ないため、テーブルや棚などの家具制作に向いている木材です。

山仁物産では、国産の高品質な広葉樹材をそろえており、用途や加工しやすさで選べるラインナップを用意しています。

針葉樹材と広葉樹材の用途別の使い分け

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

木材を選ぶ際、針葉樹材と広葉樹材の違いを理解することが重要です。広葉樹材は硬さと美しい木目が特徴的ですが、適材適所で使うことが必要です。建築から家具まで、それぞれの特性を活かした使い分けを詳しく解説します。

建築構造材には針葉樹材が最適

建築構造材には針葉樹材が適している理由があります。針葉樹材は軽量でありながら強度が高く、加工性に優れているためです。スギやヒノキなどの針葉樹材は、柱や梁といった構造材に多用されています。

また、針葉樹材は乾燥が早く、反りや割れが少ないという特徴もあります。コストパフォーマンスも良好で、大量調達が可能な点も建築業界で重宝される理由です。広葉樹材と比較して、構造材としての実用性が高いのが針葉樹材の大きな魅力といえます。

家具・内装材では広葉樹材が活躍

家具や内装材の分野では、広葉樹材が優れています。ナラやブナなどの広葉樹材は、美しい木目と高い硬度をあわせもっています。テーブルや椅子などの家具には、日常的な使用に耐える強度が必要です。

また、広葉樹材の豊富な種類により、デザイン性の高い内装材としても活用できます。針葉樹材では表現できない重厚感と高級感を演出できるのが、広葉樹材の大きなメリットです。

広葉樹木材を選ぶときのチェックポイント

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

広葉樹木材を選ぶ際は、用途に合った特徴を見極めることが重要です。硬度や木目、乾燥状態も的確にチェックする必要があります。ここでは、失敗しない木材選びのポイントを詳しく解説します。

用途に合わせた硬度・密度の確認

広葉樹材選びでは、硬度と密度の確認が重要です。用途によって求められる強度が異なり、家具製作には高密度のナラやブナが適しています。一方、装飾用には中密度で木目が美しいサクラ材のほか、色味が特徴的なケヤキ材、落ち着いた濃色で高級感のあるクルミ材も向いています。

重視するポイントおすすめの樹種
強度重視・ナラ
・ケヤキ
・カシ
・クヌギ
・イチョウ など
装飾重視・サクラ
・ケヤキ
・クルミ
・カエデ
・トチ

硬度は爪で押して確認でき、跡がつきにくいほど硬質です。密度は重量感で判断可能で、同サイズでも重い木材ほど密度が高くなります。広葉樹材の特徴を活かすため、事前に用途を明確にして選択しましょう。

木目の美しさと色合いの選び方

広葉樹材の魅力のひとつに、美しい木目と豊かな色合いがあります。種類によって木目パターンと色調が大きく異なります。以下の特徴を参考に、好みの樹種を選んでみてください。

樹種木目の特徴色合い選び方・用途
サクラ・緻密で穏やか
・木目は控えめ
・淡紅色~赤褐色
・経年で深みが増す
・家具や内装材、装飾パネルに向く
・上品で落ち着いた印象
ケヤキ力強い虎斑
・木目
・黄褐色~赤褐色
・光沢が美しい
・床柱、建具、和家具
・華やかで高級感重視の装飾に合う
ナラ木目がはっきりして力強い黄褐色~淡褐色・床材・家具・建築材
・耐久性重視でも美しい見た目
クルミ・直線~波状の木目
・落ち着きがある
茶褐色~濃褐色・高級家具や装飾材
・深みのある色合いで高級感演出
カエデ緻密で細かい木目明るい黄白色~淡褐色・楽器、工芸品、内装材
・明るく繊細なデザインに向く

可能であれば実際の木材を確認し、完成品のイメージと合うかを判断しながら選びましょう。

乾燥状態・含水率をチェックする方法

木材の乾燥状態と含水率の確認は、変形防止に欠かせません。含水率が高い木材は、乾燥とともに反りや割れが生じるためです。適切な含水率は用途別に以下の通りです。

用途推奨含有率
構造材15%以下
家具材10~12%程度
内装材15%以下

水分計での測定が理想的ですが、次のような観点である程度は判断できます。

水分計を使わずに乾燥状態をチェックする方法
  • 乾燥が進んだ木材は軽くなる
  • 含水率が低いと、表面がさらさらと乾燥している
  • 色合いの変化や割れや反りがある
  • 乾燥が進むと。叩いた時に硬く澄んだ音が出やすい

ただ、正確な測定はむずかしいため、購入前に販売者に乾燥方法と含水率を確認し、品質の高い広葉樹木材を選ぶことが大切です。

広葉樹木材のメンテナンス方法と長持ちのコツ

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

広葉樹木材を長持ちさせるには、適切なメンテナンスが欠かせません。広葉樹材の特性を踏まえた管理が重要で、保管から施工後まで一貫した対策が必要です。ここでは、木材の特徴を活かした効果的なメンテナンス手法を解説します。

保管時の注意点と湿度管理

広葉樹木材の保管では、湿度管理が重要なポイントです。木材の含水率変化による変形や割れを防ぐためで、理想的な保管環境は以下の通りです。

理想的な保管環境
  • 湿度40~60%(カビや腐りを避ける)
  • 良好な換気環境(カビや害虫防止)
  • 直射日光と雨風を避ける(変色や劣化を防ぐ)
  • 必要に応じて防虫剤や防腐剤を使用

広葉樹材は密度が高く、急激な湿度変化に敏感な特徴があります。直射日光を避け、風通しの良い場所で桟積み(細長い角材を間に挟む)保管することが基本です。定期的な含水率測定により、適切な状態を維持しましょう。

施工後のメンテナンス方法

施工後の広葉樹木材は、定期的なメンテナンスで美しさと耐久性を保てます。具体的なメンテナンス方法は用途により異なります。

用途メンテナンス内容
家具・定期的な拭き掃除(乾いた柔らかい布や水拭き、専用クリーナー使用)
・ワックスやオイルの塗布で保護
・直射日光や高湿度を避ける環境管理
床材・掃除機や箒でのほこり除去
・水拭きは極力控えるが汚れが、ひどい場合は湿った布で拭き、すぐ乾燥させる
・定期的に専用クリーナーやオイル、ワックスで表面保護
・高温多湿を避け、加湿器の使いすぎにも注意
建具(ドア・窓枠など)・ホコリや汚れを乾いた布で拭く
・表面の劣化が見られたらサンドペーパーで軽く研磨し、オイルや塗装で再仕上げ
外装材・防腐、防虫塗料の定期塗布
・汚れは水洗いし、高圧洗浄は避ける
・割れや腐朽が発見されたら早めに補修

家具や内装材では、広葉樹材の美しい木目を保護する塗装メンテナンスが重要です。適切な手入れで長期間の使用が可能になります。

施工後のメンテナンス方法

広葉樹材のメンテナンスは、木材の密度や硬度の違いが影響するため、針葉樹材とは異なるアプローチが必要です。主な違いは、以下の点にあります。

項目広葉樹のメンテナンス針葉樹林のメンテナンス
含水率管理吸水に強いが乾燥や湿度変化は避ける。湿気で割れや反りが出やすいので、湿度に注意。
清掃方法専用クリーナーやオイルで表面の美しさを守る。軽い水拭きや乾拭きが中心。表面の樹脂で汚れにくい。
表面保護ワックス・オイルで保湿し光沢を保つ。防腐・防虫剤を使うことが多い。
変形対策硬くて変形しにくいが環境配慮は必要。反りや割れ防止に通気と湿度管理が必須。
害虫対策害虫に弱く、防虫剤塗布や点検が重要。害虫被害は比較的少ない。

広葉樹材は耐久性が高いぶん、メンテナンス頻度は少なくて済みます。ただ、一度問題が発生すると、修復が困難な場合もあります。長く愛用するには、予防的なメンテナンスを心がけることが重要です。

山仁物産が提供する高品質広葉樹材

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

山仁物産では、厳選された国産広葉樹木材を専門的に取り扱っています。針葉樹材と広葉樹材の違いを熟知したプロが、用途に最適な木材を提案いたします。国産材の品質管理から製材までの一貫した体制で、お客様のニーズにお応えしています。

施工後のメンテナンス方法

山仁物産では国産広葉樹材の品質管理を徹底して行っています。

木材の特徴を最大限活かすため、原木段階から厳格な基準を設けているためです。伐採時期や乾燥方法にもこだわり、含水率や強度を管理しています。

広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説
広葉樹木材の完全ガイド|特徴・種類・針葉樹との違いを徹底解説

ナラ、ブナ、サクラなど主要な国産広葉樹材について、規格に準拠した高品質な木材のみを提供しています。お客様に安心してご利用いただける品質保証体制を構築しています。

製材から仕上げまでの一貫体制

お客様のご要望に柔軟に対応するため、製材から仕上げまでの一貫体制を整えております。品質のバラつきを防ぎ、高品質な広葉樹材を安定供給しています。自社工場で管理している工程は、以下の通りです。

自社工場で管理している工程
  • 原木選別:樹種・等級の厳格な分類
  • 製材加工:用途別の最適な寸法カット
  • 人工乾燥:含水率の精密管理
  • 仕上げ加工:表面処理・寸法調整
  • 品質検査:最終品質チェック

各工程で専門技術者が品質を確認し、広葉樹材の特徴を活かした加工を行っています。

用途に合わせた最適な木材提案

お客様の用途に合わせた、最適な広葉樹木材の提案を行っています。広葉樹材の種類により特徴が大きく異なり、適材適所の選択が重要だからです。建築、家具、工芸品など、用途別に最適な樹種をご提案いたします

経験豊富なスタッフが、針葉樹材との違いや各広葉樹材の特徴を詳しく説明いたしますので、お気軽にご相談ください。サンプル提供やカスタム加工にも対応し、お客様のプロジェクトを成功に導きます。技術的なご質問やコスト面でのご相談も、専門知識を活かしてお答えいたします。

山仁物産が提供する高品質広葉樹材

広葉樹木材は針葉樹材と比較して硬度が高く、美しい木目が特徴的な素材です。建築構造材には針葉樹材が適している一方、家具や内装材では広葉樹材の特徴が活かされます。木材選びでは用途に応じた硬度・密度の確認、木目の美しさ、乾燥状態のチェックが重要です。適切なメンテナンスにより、広葉樹材の美観と耐久性を長期間維持できます。

広葉樹木材の種類は多岐にわたり、それぞれ異なる特徴を持っています。専門業者との相談により、プロジェクトに最適な木材を選択し、満足度の高い仕上がりを実現しましょう。