建築や家具製作の木材選びで、次のような悩みはありませんか?
- 広葉樹の特徴や強度がわからず樹種選択に迷う
- 針葉樹との違いがわからず、用途ごとの使い分けに困る
- ナラ(楢)、ケヤキ(欅)など人気樹種の性質や価格を知りたい
上記のような悩みを解決するため、本記事では長年にわたり広葉樹を取り扱ってきた山仁物産が、樹種選択やコスト、特製について徹底解説します。
記事を読むことで、広葉樹の特性を理解でき、予算と用途に合った木材を選べるようになります。適切な木材選びにより、コスト削減と品質向上の両立も実現できるでしょう。
本記事のポイントは、次の通りです。
- 広葉樹は重さがあり木目が多彩、針葉樹は軽くやわらかいため加工しやすい
- 耐久性・硬度に優れ、美しい木目で高級感を演出できる
- 広葉樹は家具・フローリング・楽器、針葉樹は柱・梁・合板などに使われる
- 代表的な広葉樹の種類は、ナラ(耐久性・虎斑模様)、ケヤキ(和風建築の高級材)、サクラ(やわらかな色合い)、クルミ(世界三大銘木)、セン(加工しやすい)など
- 用途・予算・見た目に合わせて選ぶのが基本え、長期利用や高級感には広葉樹がおすすめ
広葉樹木材とは?特徴と針葉樹との違い

広葉樹材は、木材のなかでも高品質な建築・家具材料として知られています。重くて硬いものが多く、色は樹種ごとに多彩です。明るいものから濃いもの、赤み・黄み・灰色などさまざまで、針葉樹に比べると色彩豊かなのが特徴です。
ここでは、広葉樹材の基本的な性質から針葉樹との明確な違いまで、木材選びで知っておくべき重要なポイントを解説します。
広葉樹材と針葉樹材の基本的な違い
針葉樹材はやわらかく、広葉樹材は硬いのが一般的で、構造と用途が大きく異なります。
まっすぐ伸びていく針葉樹は、組織の構造もシンプル。空気を多く含み軽いのが特徴です。対して、枝分かれして横に大きく育つ広葉樹は、構造が複雑で含まれる空気も少なく、ずっしりとした重さが特徴です。広葉樹には、水の通り道である「導管」や、養分を運搬・貯蔵する「柔細胞」など、豊富な種類の細胞があります。
国産の主な広葉樹材と針葉樹材の種類は以下の通りです。
| 分類 | 樹種 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 広葉樹 | ナラ(楢) | 高硬度、耐久性、虎斑模様、美しい木目 |
| ケヤキ(欅) | 非常に硬い、耐久性・耐水性、力強い木目 | |
| タモ | しなやか、弾力性、滑らか | |
| カツラ(桂) | やわらかい、明るい色、加工しやすい | |
| クルミ(胡桃) | やや柔らかい、灰褐色、加工性良好 | |
| 針葉樹 | スギ(杉) | 軽量、加工しやすい、成長が速い |
| ヒノキ(檜) | 耐水・耐湿・抗菌性、木目美 | |
| カラマツ | 強度高い、木割れしやすい | |
| アカマツ | やや硬め、木目はっきり | |
| ヒバ | 耐久性高、安価、ヒノキ類似 |
樹種ごとの特徴により、使い道に合った適切な木材選びが重要となります。
山仁物産株式会社では、上質な国産の広葉樹材を多数取りそろえております。板一枚からのご注文も承っております。耐久性が高く、見た目も美しい広葉樹材にこだわりたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
葉の形状・成長速度・価格帯の比較
広葉樹と針葉樹では葉の形状から成長速度、価格まで大きく異なります。広葉樹の葉は一般的に平らで、幹は太くて曲がり、枝分かれしています。一方、針葉樹はとがった細い葉で、幹はまっすぐ伸びていることがほとんどです。
| 項目 | 広葉樹 | 針葉樹 |
|---|---|---|
| 葉の形状 | 平たく広い | 細く尖った針状 |
| 成長速度 | 遅い(70~100年以上) | 速い(35~60年) |
| 主な価格帯(正角材) | 6万~9万円程度/㎥ | 10~15万円程度/㎥ |
樹種にもよりますが、一般的に針葉樹は軽くてやわらかいため加工しやすく、価格は比較的安めのものが多いのが特徴です。広葉樹は重くて硬いため加工しにくく、比較的高価なのが特徴です。
硬度・密度が用途に与える影響
木材の硬度と密度は、用途を選ぶ際の重要な要素です。硬いほうが傷つきにくいため、フローリングなど強度が求められるものには広葉樹材が多用されます。ただ、やわらかな踏み心地や触り心地の良さを求める場合は、針葉樹材のフローリングも使われます。
| 樹種 | 主な用途 |
|---|---|
| 広葉樹 | ・床材(フローリング材) ・建築材(強度が求められる部分) ・家具(高級家具、テーブル、椅子など耐久性を求められる家具) ・薪、炭などの燃料 ・樽材(ワインやウイスキー樽) ・楽器、工芸品 ・船舶材 |
| 針葉樹 | ・建築材(柱、梁、土台など) ・家具材(室内の軽めの家具など) ・風呂桶やしゃもじなどの生活用品 ・軽量の合板やパルプ材 |
針葉樹材は「軽くてやわらかく加工しやすい」「素材が安価」なため、大量生産向きでコストを重視したい場合に向いています。対して重くて硬い広葉樹材は、高級家具など耐久性が求められる構造材や樽材、楽器材に使われます。
また、針葉樹材は夏はつめたく、冬はあたたかいのも魅力です。広葉樹材は高級感や耐久性、美しい木目を活かし、人々の暮らしや産業で幅広く利用されています。
広葉樹木材の魅力とメリット

広葉樹材は、建築・家具業界でよく使われる素材です。針葉樹材と比較して優れた耐久性と美しい木目をもち、長期使用が前提となる高級家具や構造材に選ばれています。
本章では、広葉樹材がもつ魅力と実用的なメリットを、具体的な特性とともに詳しく解説していきます。
木目の美しさと高級感
広葉樹材の大きな特徴は、複雑で美しい木目模様による高級感を演出できる点です。複雑な細胞構造をもつため、針葉樹材の単調な直線模様とは異なり、曲線的で表情豊かな木目を見せます。

主な広葉樹材の木目について、表にまとめました。
| 樹種 | 画像 | 色合い | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ナラ(楢) | ![]() | 黄褐色~淡褐色 | ・虎斑(とらふ)模様や直線的な木目 ・はっきりとした木目 |
| クリ(栗) | ![]() | 淡黄褐色~赤褐色 | ・大きな道管がはっきりした力強い木目 ・年輪の境界が鮮明 |
| セン(栓) | ![]() | 明るい黄白色~黄褐色 | 直線的で滑らかな木目 |
| クルミ(胡桃) | ![]() | 深い茶褐色~濃褐色 | ・複雑で美しい木目 ・濃い色合いの縞模様が入ることも多い |
| タモ | ![]() | 淡黄褐色~中間色 | はっきりとした直線的な木目で明瞭 |
広葉樹材の豊かな木目により、インテリアに高級感と自然の温もりを表現できます。
耐久性・重厚感がある木材特性
広葉樹材は優れた耐久性と重厚感をもち、長期使用に向いています。一般的に針葉樹は空隙率(くうげきりつ:すき間の割合)が高く軽いのに対し、広葉樹は空隙率が低く、重い樹種が多いのが特徴です。密度の違いが耐久性に直結しています。
| 項目 | 広葉樹 | 針葉樹 |
|---|---|---|
| 気乾比重(木材の質量) | 約0.6~0.8g/㎤ | 約0.3-0.5g/㎤ |
| 硬度 | 高硬度 | 低硬度 |
| JASによるせん断強さ(破断・変形する直前の強度) | 約0.9~1.0MPa | 約0.7MPa |
農林水産省|日本農林規格(最終閲覧日2025年9月18日)
広葉樹材は耐久性・硬度で針葉樹材より優れています。一方で針葉樹材は軽さ・加工性・触感で優れるため、用途に応じて使い分けましょう。広葉樹は重厚な材質により、家具や建材として人気があります。
家具材・建材に選ばれる理由
広葉樹材が家具・建材に選ばれるのは、実用性と見た目の美しさの両立にあります。広葉樹材を家具材や建材として使うメリットは次の通りです。
- 高い耐久性・硬度、揺れへの強さ
- 傷が付きにくく長持ちする
- 豊富な木目の表情や深みのある色合いで、装飾性が高い
家具は人の身体を支え、日常の作業を支える重要な道具です。強度があり傷がつきにくく、揺れに強いことが求められます。広葉樹材は高い硬度と耐久性を誇り、家具や建材としての需要を満たしているのです。
重厚感を出したい大型家具や長く愛用したい特別な家具には、広葉樹がぴったりです。時間とともに色合いや艶が変わり、経年変化を楽しめるのも広葉樹木材の魅力です。
山仁物産では、厳選した国産広葉樹材を豊富に取りそろえています。ぜひ、商品ラインナップをご覧ください。
代表的な広葉樹木材の種類と特徴一覧

広葉樹は約300種の豊富な種類があり、木材として使用される樹種は約30種です。各樹種は独特の木目、色合い、硬度をもち、異なる魅力があります。ここでは、家具材や建築材として、とくに人気が高い広葉樹5種の特徴を詳しく解説していきます。紹介する代表的な広葉樹木材は、次の通りです。
ナラ材|耐久性と美しい木目が特徴
-768x1024-1.jpg)
ナラ材は英語で「オーク」と呼ばれ、優れた耐久性と高い耐水性をもつ高級広葉樹です。日本産(北海道産)のミズナラは「ジャパニーズオーク」として、海外でも人気が高い樹種。重硬で強度が高く、壊れにくく変形しにくいのが特徴です。
加工のしやすさや割れやすさ’(繊維に沿って割れる性質)は中程度、表面を仕上げると美しい光沢が出ます。虎の毛並みのような美しい虎斑模様もナラ材の魅力です。
| 木材名 | ナラ(オーク) |
| 産地 | ・日本(北海道・東北など) ・北米・欧州 |
| 色・木目 | ・黄白色~淡褐色 ・はっきりした導管で力強い木目(虎斑模様が出ることもある) |
| 硬さ・強度 | 硬くて重い |
| 加工性 | 硬いため加工はややむずかしいが、仕上がりは良い |
| 耐久性 | ・高い(特に耐摩耗性) ・耐水性は中程度で、屋外利用には塗装や処理が必要 |
| 質感 | タンニン(木材の防御物質)を多く含み、重厚感のある質感 |
| 価格帯 | 中〜高価格帯 |
| 主な用途 | 床材、家具、内装材、洋酒樽(ウイスキー・ワイン)、器具、建築材 |
日本の婚礼タンスにも用いられるなど耐久性が高く、長く使う高級家具にぴったりな木材です。
ケヤキ材|和風建築に使われる高級広葉樹

ケヤキ材は美しい木目と高級感で、和風建築の代表的な構造材として使われる高級広葉樹です。重硬で耐久性が高く、乾燥や湿度変化に対して狂いが少ない特徴があります。
ただ、乾燥時に割れが生じやすいため加工はむずかしいですが、耐久性は抜群です。美しい木目は洗練された空間づくりに向いています。
| 木材名 | ケヤキ |
| 産地 | ・日本(本州・東北) ・中国・韓国 |
| 色・木目 | ・赤褐色~黄褐色 ・独特の虎斑模様、木目が美しい |
| 硬さ・強度 | 非常に硬く重い |
| 加工性 | 硬いため加工はややむずかしいが、仕上がりは良い |
| 耐久性 | ・耐久性、耐摩耗性が高い ・屋内利用で長期耐用可能 ・屋外利用には塗装や防腐処理が必要 |
| 質感 | 重厚感があり、磨くと光沢が出る |
| 価格帯 | 高価格帯 |
| 主な用途 | 家具(高級家具、座卓、床柱)、建築材(神社仏閣の柱・梁)、床材、彫刻材、器具材 |
古い民家や神社仏閣では構造材として使用され、現代でも高級木材として選ばれ続けています。
サクラ材|やわらかな色合いで人気の家具材

サクラ材は淡い色の美しい色合いと繊細な木肌で、家具材として高い人気を誇ります。サクラ材は中程度の硬さをもち、木質は均質、加工後の良質な見た目と手触りが特徴です。
木目が主張しすぎず、合板加工にも適しています。
| 木材名 | サクラ(チェリー) |
| 産地 | ・日本(本州・北海道) ・北米(アメリカンチェリー) |
| 色・木目 | ・淡いピンク~淡褐色 ・木目は穏やかで目立たず、滑らかで均一な印象 |
| 硬さ・強度 | 中程度の硬さ |
| 加工性 | ・加工、削り、仕上げが容易 ・乾燥による割れは少ないが、狂いには注意 |
| 耐久性 | ・耐久性は比較的高い ・屋内での使用に適し、長期使用可能 ・屋外では塗装や保護が必要 |
| 質感 | ・やわらかく温かみのある質感 ・磨くと光沢が出る |
| 価格帯 | 中〜高価格帯(国産は高級材扱い) |
| 主な用途 | 家具(食器棚、机、椅子)、内装材(床材、腰板)、小物、彫刻材、楽器材 |
弾力性が高く、優しい色合いは温かみのある家具によく馴染みます。
クルミ材|世界三大銘木のひとつ
-768x1024-2.jpg)
クルミ材は紫がかった色合いが美しい、世界三大銘木のひとつとして名高い高級広葉樹です。
ほどよい硬さと美しい色合いが魅力で、チークやマホガニーと並ぶ世界的な銘木です。経年変化により温かみのある茶色へと変化し、長く愛用するほど味わいが深まります。
| 木材名 | クルミ(ウォルナット) |
| 産地 | ・日本(北海道、東北など) ・北米(ブラックウォルナット) ・ヨーロッパ |
| 色・木目 | ・茶褐色~濃褐色 ・木目は直線的~波状で落ち着いた高級感 |
| 硬さ・強度 | 中~やや硬め |
| 加工性 | ・加工しやすく、削り ・仕上げが容易 ・狂いは少なめで安定 |
| 耐久性 | ・強度、耐久性は高い ・家具や建具として長期使用可能 ・屋内使用が中心 |
| 質感 | ・重厚感のある質感で、磨くと光沢が出る ・落ち着いた風合い |
| 価格帯 | 高価格帯 |
| 主な用途 | 高級家具(机・椅子・キャビネット)、フローリング、内装材、楽器材、彫刻材 |
食用のクルミが取れる樹種としても知られ、高級ダイニングテーブルや収納家具、小物まで幅広い用途で人気を集めています。
セン材|加工しやすく扱いやすい
-768x1024-1.jpg)
セン材は広葉樹のなかでもやわらかめで加工しやすく、DIY初心者などでも扱いやすい木材です。木目はケヤキに似て美しく、家具材として高い装飾性をもちます。質感がなめらかで塗装の乗りも良いため、美しい仕上がりを実現できる木材です。
| 木材名 | セン |
| 産地 | ・日本(北海道、本州) ・ヨーロッパ |
| 色・木目 | ・黄白色~淡褐色 ・木目はまっすぐで均一 ・節が少なく落ち着いた印象 |
| 硬さ・強度 | 中程度 |
| 加工性 | 加工・仕上げが容易で、削り・塗装・接着に向く |
| 耐久性 | ・耐久性は適度にある ・屋内使用で長期利用可能 ・屋外利用は保護処理が必要 |
| 質感 | やわらかく、滑らかで均一な質感 |
| 価格帯 | 中価格帯 |
| 主な用途 | 家具(テーブル、椅子、キャビネット)、床材、内装材、建具材、楽器材 |
軽量でありながら強度があり、反りや狂いが少ないため、テーブルや棚などの家具制作に向いている木材です。
山仁物産では、国産の高品質な広葉樹材をそろえており、用途や加工しやすさで選べるラインナップを用意しています。
針葉樹材と広葉樹材の用途別の使い分け

木材を選ぶ際、針葉樹材と広葉樹材の違いを理解することが重要です。広葉樹材は硬さと美しい木目が特徴的ですが、針葉樹材が向いているケースもあります。建築から家具まで、それぞれの特性を活かした使い分けを詳しく解説します。
建築構造材には針葉樹材が最適
建築構造材には針葉樹材が適している理由があります。針葉樹材は軽量でありながら強度が高く、加工性に優れているためです。スギやヒノキなどの針葉樹材は、柱や梁といった構造材に多用されています。
また、針葉樹材は乾燥が早く、反りや割れが少ないという特徴もあります。コストパフォーマンスも良好で、大量調達できることも建築業界で重宝される理由のひとつ。広葉樹材と比較して、構造材としての実用性が高いのが針葉樹材の大きな魅力です。ただ、重要な構造材には耐久性の高い広葉樹材が使われる場合もあります。
家具・内装材では広葉樹材が活躍
家具や内装材では広葉樹材が優れています。ナラやブナなどの広葉樹材は、美しい木目と高い硬度をあわせもっています。テーブルや椅子などの家具には、日常的な使用に耐える強度が必要です。
また、広葉樹材の豊富な種類により、デザイン性の高い内装材としても活用できます。針葉樹材では表現できない重厚感と高級感を演出できるのが、広葉樹材の大きなメリットです。
広葉樹木材を選ぶときのチェックポイント

広葉樹材を選ぶ際は、用途に合った特徴を見極めましょう。硬度や木目、乾燥状態などを的確にチェックする必要があります。ここでは、失敗しない木材選びのポイントを詳しく解説します。
用途に合わせた硬度・密度の確認
広葉樹材選びでは、硬度と密度の確認が大切です。用途によって求められる強度が異なり、家具製作には高密度のナラやブナが適しています。一方、装飾用には中密度で木目が美しいサクラ材のほか、色味が特徴的なケヤキ材、落ち着いた濃色で高級感のあるクルミ材も向いています。
| 重視するポイント | おすすめの樹種 |
|---|---|
| 強度重視 | ・ナラ ・ケヤキ ・カシ ・クヌギ ・イチョウ など |
| 装飾重視 | ・サクラ ・ケヤキ ・クルミ ・カエデ ・トチ |
硬度は爪で押して確認でき、跡がつきにくいほど硬質です。密度は重量感で判断でき、同サイズでも重い木材ほど密度が高くなります。広葉樹材の特徴を活かすため、事前に用途を明確にしておきましょう。
木目の美しさと色合いの選び方
広葉樹材の魅力のひとつに、美しい木目と豊かな色合いがあります。種類によって木目と色調が大きく異なります。以下の特徴を参考に、好みの樹種を選んでみてください。
| 樹種 | 木目の特徴 | 色合い | 選び方・用途 |
|---|---|---|---|
| サクラ | ・緻密で穏やか ・木目は控えめ | ・淡紅色~赤褐色 ・経年で深みが増す | ・家具や内装材、装飾パネルに向く ・上品で落ち着いた印象 |
| ケヤキ | 力強い虎斑 ・木目 | ・黄褐色~赤褐色 ・光沢が美しい | ・床柱、建具、和家具 ・華やかで高級感重視の装飾に合う |
| ナラ | 木目がはっきりして力強い | 黄褐色~淡褐色 | ・床材・家具・建築材 ・耐久性重視でも美しい見た目 |
| クルミ | ・直線~波状の木目 ・落ち着きがある | 茶褐色~濃褐色 | ・高級家具や装飾材 ・深みのある色合いで高級感演出 |
| カエデ | 緻密で細かい木目 | 明るい黄白色~淡褐色 | ・楽器、工芸品、内装材 ・明るく繊細なデザインに向く |
可能であれば実際の木材を確認し、完成品のイメージと合うかを判断しながら選びましょう。
乾燥状態・含水率をチェックする方法
木材の乾燥状態と含水率の確認は、変形を防ぐために欠かせません。含水率が高い木材は、乾燥とともに反りや割れが生じるためです。適切な含水率は用途別に以下の通りです。
| 用途 | 推奨含有率 |
|---|---|
| 構造材 | 15%以下 |
| 家具材 | 10~12%程度 |
| 内装材 | 15%以下 |
水分計での測定が理想的ですが、次のような観点である程度は判断できます。
- 乾燥が進んだ木材は軽くなる
- 含水率が低いと、表面がさらさらと乾燥している
- 色合いの変化や割れや反りがある
- 乾燥が進むと。叩いた時に硬く澄んだ音が出やすい
ただ、正確な測定はむずかしいため、購入前に販売者に乾燥方法と含水率を確認し、品質の高い広葉樹材を選ぶことが大切です。
広葉樹木材のメンテナンス方法と長持ちのコツ

広葉樹材を長持ちさせるには、適切なメンテナンスが欠かせません。特性を踏まえた管理が重要で、保管から施工後まで一貫した対策が必要です。ここでは、木材の特徴を活かした効果的なメンテナンス方法を解説します。
保管時の注意点と湿度管理
広葉樹材の保管では、湿度管理が重要なポイントです。含水率の変化による変形や割れを防ぐためで、理想的な保管環境は以下の通りです。
- 湿度40~60%(カビや腐りを避ける)
- 良好な換気環境(カビや害虫防止)
- 直射日光と雨風を避ける(変色や劣化を防ぐ)
- 必要に応じて防虫剤や防腐剤を使用
広葉樹材は密度が高く、急激な湿度変化に敏感です。直射日光を避け、風通しの良い場所で桟積み(細長い角材を間に挟む)保管することが基本です。定期的な含水率チェックにより、適切な状態を保ちましょう。
施工後のメンテナンス方法
施工後の広葉樹木材は、定期的なメンテナンスで美しさと耐久性を保てます。具体的なメンテナンス方法は用途により異なります。
| 用途 | メンテナンス内容 |
|---|---|
| 家具 | ・定期的な拭き掃除(乾いたやわらかい布や水拭き、専用クリーナー使用) ・ワックスやオイルを塗って保護 ・直射日光や高湿度を避ける環境管理 |
| 床材 | ・掃除機やほうきでのほこり除去 ・水拭きは極力控えるが汚れが、ひどい場合は湿った布で拭き、すぐ乾燥させる ・定期的に専用クリーナーやオイル、ワックスで表面を保護 ・高温多湿を避け、加湿器の使いすぎにも注意 |
| 建具(ドア・窓枠など) | ・ホコリや汚れを乾いた布で拭く ・表面の劣化が見られたらサンドペーパーで軽く磨き、オイルや塗装で再仕上げ |
| 外装材 | ・防腐、防虫塗料を定期的に塗る ・汚れは水洗いし、高圧洗浄は避ける ・割れや腐朽が発見されたら早めに補修 |
家具や内装材では、広葉樹材の美しい木目を保護する塗装メンテナンスが重要です。適切な手入れで長く愛用できます。
施工後のメンテナンス方法
広葉樹材のメンテナンスは、木材の密度や硬度の違いが影響するため、針葉樹材とは異なるアプローチが必要です。主な違いは、以下の点にあります。
| 項目 | 広葉樹のメンテナンス | 針葉樹林のメンテナンス |
|---|---|---|
| 含水率管理 | 吸水に強いが乾燥や湿度変化は避ける。 | 湿気で割れや反りが出やすいので、湿度に注意。 |
| 清掃方法 | 専用クリーナーやオイルで表面の美しさを守る。 | 軽い水拭きや乾拭きが中心。表面の樹脂で汚れにくい。 |
| 表面保護 | ワックス・オイルで保湿し光沢を保つ。 | 防腐・防虫剤を使うことが多い。 |
| 変形対策 | 硬くて変形しにくいが環境配慮は必要。 | 反りや割れ防止に通気と湿度管理が必須。 |
| 害虫対策 | 害虫に弱く、防虫剤塗布や点検が重要。 | 害虫被害は比較的少ない。 |
広葉樹材は耐久性が高いぶん、メンテナンス頻度は少なくて済みます。ただ、一度問題が発生すると、修復がむずかしくなる場合もあります。長く愛用するには、予防的なメンテナンスを心がけましょう。
山仁物産が提供する高品質広葉樹材

山仁物産では、厳選された国産広葉樹木材を専門的に取り扱っています。針葉樹材と広葉樹材の違いを熟知したプロが、用途に最適な木材を提案いたします。国産材の品質管理から製材までの一貫した体制で、お客様のニーズにお応えしています。
施工後のメンテナンス方法
山仁物産では国産広葉樹材の品質管理を徹底しておこなっています。乾燥方法にもこだわり、含水率や強度を管理しています。


ナラ、ブナ、サクラなど主要な国産広葉樹材について、高品質な木材のみを提供。お客様に安心してご利用いただける品質保証体制を築いています。
製材から仕上げまでの一貫体制
お客様のご要望に柔軟に対応するため、製材から仕上げまでの一貫体制を整えております。品質のバラつきを防ぎ、高品質な広葉樹材を安定供給しています。自社工場で管理している工程は以下の通りです。
- 原木選別:樹種・等級の厳格な分類
- 製材加工:用途別の最適な寸法カット
- 人工乾燥:含水率の精密管理
- 仕上げ加工:表面処理・寸法調整
- 品質検査:最終品質チェック
各工程で専門技術者が品質を確認し、広葉樹材の特徴を活かした加工をおこなっています。
用途に合わせた最適な木材提案
お客様の用途に合わせた、最適な広葉樹木材をご提案いたします。広葉樹材の種類により特徴は大きく異なるため、適材適所の選択が重要です。
経験豊富なスタッフが、針葉樹材との違いや各広葉樹材の特徴を詳しく説明いたしますので、お気軽にご相談ください。サンプル提供やカスタム加工にも対応可能です。技術的なご質問やコスト面でのご相談も承っております。
山仁物産が提供する高品質広葉樹材
広葉樹材は針葉樹材と比較して硬度が高く、美しい木目が特徴的です。建築構造材には針葉樹材が適している一方、家具や内装材では広葉樹材の特徴が活かされます。木材選びでは用途に応じた硬度・密度、木目の美しさ、乾燥状態のチェックが重要です。適切なメンテナンスにより、広葉樹材の美しさと耐久性を長期間維持できます。
広葉樹木材の種類は多岐にわたり、それぞれ異なる特徴があります。山仁物産ではお客様のニーズに応じて、高品質な広葉樹材を柔軟にご提供いたします。使い道に合った木材を選び、満足度の高い仕上がりを実現しましょう。

-768x1024-2.jpg)
-768x1024-1-e1758690735645.jpg)
